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2011年05月17日

意匠と納まり

先日より施工を開始した現場は、いわゆる意匠を優先したお宅である。

なによりも、お住まいの方が建築士さんなので、当然と言えばそれまでなのだが・・・・・・。






この意匠とは、いわゆるデザインのこと。

そう、見た目に格好が良いというのが、建築士さんの意匠への強い想いであり、それを無くしてしまうと、建築士さんらしくなくなってしまうのだろう。

しかし、その意匠を優先することで、建物の雨仕舞に無理が掛かることもしばしば。

では、雨仕舞的に最も安全なデザインの建物は?と言うと、「真四角で屋根が入り組まない」と言う、ハウスメーカーの標準間取りプランに出てきそうな、なんともオーソドックスなものになるのです。

これらのことを考えると、意匠を最優先するのか?雨仕舞を最優先するのか?いいとこ取りで両方の良いところを取り入れるか?となるのだろう・・・・・・・。






なんて話がそれてしまったが、意匠を優先した今回の建物は、バルコニーの納まりに独特なデザインが施されている。

こちらのお宅は1階がRC造、2階は木造であり、木造の立上りとなる部分がバルコニーの立上りとなるのですが・・・・・。

本日、何気なくバルコニーの立ち上がり部分の点検をしてみようと覗き込むと、なんと立ち上がりが途中までしか無い!





えっっ!! なんで!!!

思わず、思考が停止してしまう状況を見つけてしまった。

     意匠と納まり






建物の詳細図や断面図を確認していないので、あくまで予想ではあるが、RC造のうえに、少しの基礎立ち上げをつくり、そこに合板を張って、メタルラスを張って、そしてモルタルを鏝塗りしたのだろう。

このとき、「どうせ見えないからいいや」とばかりに、途中までしかラスを入れず、さらに低い位置までしか、モルタルを塗らなかったのだろう。

そして、食指にて確認した感じでは、ラスとモルタルでの厚みは、せいぜい7~8㎜ぐらい。

そりゃあ、クラックが入るわけだよ・・・・・。






一応?、ラスの下にはアスファルトフェルトがあるので、それが余分に立ち上がっているので、ひとまずは安心?かも知れ無いが、万が一、雨水の流入があれば、階下居室に流れ込む可能性も、決して否定できない。

そしておそらく、お施主様自身は、この納まりには、まったく気が付いていないだろうし。

まあ、私に出来る事といえば、確実な雨仕舞にすることと、事実を正確に伝えることだけなのですが・・・・・・。

とりあえず、雨仕舞の策を練らなければ。



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