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『雨漏り診断・修理』についての当社取り組みです
日経ホームビルダー2011.1号より連載開始
写真でわかる『雨漏りを呼ぶ納まり』
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2011年07月09日
根拠と事実
昨日記した、シャッターへのテスト塗装。
シャッターの仕組みにより、塗料・塗装方法の選択が重要になるのですが、遮熱塗料の場合は、薄膜であり、塗料の選び方により、比較的硬い塗膜が出来上がるため、薄いぶんだけ、塗料の剥がれも何とか許容範囲であろうと考えるのです。
しかし、断熱を考える断熱塗料では、一定以上の厚みを確保しなければ、熱伝導をしてしまう可能性が高くなるため、当然ながら機能が不足するリスクが・・・・。
また、遮熱塗料に比べると、厚みのみならず、塗膜が若干柔らかめとなるぶんだけ、塗膜が剥がれた際の問題も大きくなるのです。
そんなことを踏まえてのテスト塗装なのですが、本題はこの塗料での機能がどこまで効果を及ぼすかの検証。
塗装後、午後3時にいくつかの計測をしたところ。
天気・・・晴天
外気温・・・33℃
このように、シャッターへは、およそ50センチ角で吹き付けを行いました。
放射温度計で計測したところ。
無塗装面・・・51.4℃
遮熱塗料塗装面・・・42.8℃
断熱塗料塗装面・・・34.8℃
塗装後、約1時間半を経過した時点での計測により、ここまで各部位の表面温度に差が生じることが確認できたことで、それぞれの効果について、事実が確認できたのです。
ただし、これにより、イコール室内温度の違いが生じるか?
答えは、ノーである。
いくら表面温度が下がったところで、塗膜の裏面に伝わる温度は確かに低くなるのだが、それよりも大きな空間に影響を及ぼしている熱が、全て除去されたわけではないのです。
たとえば、窓から侵入する赤外線。
空気の循環により浸入する熱せられた外気。
熱せられたまま滞留してしまう室内空気。
などなど、要因が多岐にわたり、かつ人が感じる温度である「体感温度」も有り、一概に数値だけによって変わるものではないのです。
またこのとき、道路のアスファルト温度を計測すると
アスファルト表面・・・45.6℃
このように、テストをする根拠は、塗膜の有効性を十分に発揮させることが出来るか否かを検証することで、事実を把握するため。
そして事実を把握することで、それがどのように有用になるかを、さらに検証する。
これらが検証結果がそろうからこそ、カタログに書かれたような、良いこと尽くしのうたい文句の列挙ではなく、お客様に本当にお勧めできる仕様を考えられるのです。
だからこそ、アピールではない事実こそが、本当に大事なのです。
シャッターの仕組みにより、塗料・塗装方法の選択が重要になるのですが、遮熱塗料の場合は、薄膜であり、塗料の選び方により、比較的硬い塗膜が出来上がるため、薄いぶんだけ、塗料の剥がれも何とか許容範囲であろうと考えるのです。
しかし、断熱を考える断熱塗料では、一定以上の厚みを確保しなければ、熱伝導をしてしまう可能性が高くなるため、当然ながら機能が不足するリスクが・・・・。
また、遮熱塗料に比べると、厚みのみならず、塗膜が若干柔らかめとなるぶんだけ、塗膜が剥がれた際の問題も大きくなるのです。
そんなことを踏まえてのテスト塗装なのですが、本題はこの塗料での機能がどこまで効果を及ぼすかの検証。
塗装後、午後3時にいくつかの計測をしたところ。
天気・・・晴天
外気温・・・33℃
このように、シャッターへは、およそ50センチ角で吹き付けを行いました。
放射温度計で計測したところ。
無塗装面・・・51.4℃
遮熱塗料塗装面・・・42.8℃
断熱塗料塗装面・・・34.8℃
塗装後、約1時間半を経過した時点での計測により、ここまで各部位の表面温度に差が生じることが確認できたことで、それぞれの効果について、事実が確認できたのです。
ただし、これにより、イコール室内温度の違いが生じるか?
答えは、ノーである。
いくら表面温度が下がったところで、塗膜の裏面に伝わる温度は確かに低くなるのだが、それよりも大きな空間に影響を及ぼしている熱が、全て除去されたわけではないのです。
たとえば、窓から侵入する赤外線。
空気の循環により浸入する熱せられた外気。
熱せられたまま滞留してしまう室内空気。
などなど、要因が多岐にわたり、かつ人が感じる温度である「体感温度」も有り、一概に数値だけによって変わるものではないのです。
またこのとき、道路のアスファルト温度を計測すると
アスファルト表面・・・45.6℃
このように、テストをする根拠は、塗膜の有効性を十分に発揮させることが出来るか否かを検証することで、事実を把握するため。
そして事実を把握することで、それがどのように有用になるかを、さらに検証する。
これらが検証結果がそろうからこそ、カタログに書かれたような、良いこと尽くしのうたい文句の列挙ではなく、お客様に本当にお勧めできる仕様を考えられるのです。
だからこそ、アピールではない事実こそが、本当に大事なのです。
2011年07月08日
フィールドテスト
めまぐるしく変わる天気の合間を縫うように、磐田市内の工場において、塗料のフィールドテストをさせて頂いた。
もともとは夏にかけて暑さ対策のご相談を頂き、今回テスト施工した材料をお勧めしたのがきっかけだったのだが・・・・・。
今回テストしているのは、遮熱塗料と断熱塗料の2種類。
単純に塗装で室内温度を大幅に変化させるようなマジックは使えないのだが、一般的には室内空間の空気循環と併用し、外気温をいかに室内へ影響させないようにするかと言う対策を考えるのです。
ここで、遮熱と断熱の考え方を見れば、当然のことながら断熱の方が、室内への熱伝達が少なくなるのは当然。
じゃあ、迷う事など何も無いとなるのだが、実際には塗装面の形状などにもより、弊害もあるのです。
この弊害とは、今回大いに当てはまるものであり、一概に塗装しましょうと言うのではなく、あえてこちらからテストの提案をさせて頂いたというわけなのです。
そんな部位とは・・・・・・、工場のシャッター。
シャッターは、細長い鋼板を何枚を重ねるように巻き上げてシャッターボックスへと収納される。
なので
①必ず擦れあう部分がある
②剥がれた塗膜辺が可動部へ溜まる
このことから、見た目はもちろんのこと、可動部分へ塗膜辺が溜まる可能性もあるし、効果をもたらすための塗膜が削られることにより、期待する断熱効果に斑が生じると考えられるのです。
だからこそテスト。
まずは、効果と対策、そして実用性を十分に考えることも大事なのです。
もともとは夏にかけて暑さ対策のご相談を頂き、今回テスト施工した材料をお勧めしたのがきっかけだったのだが・・・・・。
今回テストしているのは、遮熱塗料と断熱塗料の2種類。
単純に塗装で室内温度を大幅に変化させるようなマジックは使えないのだが、一般的には室内空間の空気循環と併用し、外気温をいかに室内へ影響させないようにするかと言う対策を考えるのです。
ここで、遮熱と断熱の考え方を見れば、当然のことながら断熱の方が、室内への熱伝達が少なくなるのは当然。
じゃあ、迷う事など何も無いとなるのだが、実際には塗装面の形状などにもより、弊害もあるのです。
この弊害とは、今回大いに当てはまるものであり、一概に塗装しましょうと言うのではなく、あえてこちらからテストの提案をさせて頂いたというわけなのです。
そんな部位とは・・・・・・、工場のシャッター。
シャッターは、細長い鋼板を何枚を重ねるように巻き上げてシャッターボックスへと収納される。
なので
①必ず擦れあう部分がある
②剥がれた塗膜辺が可動部へ溜まる
このことから、見た目はもちろんのこと、可動部分へ塗膜辺が溜まる可能性もあるし、効果をもたらすための塗膜が削られることにより、期待する断熱効果に斑が生じると考えられるのです。
だからこそテスト。
まずは、効果と対策、そして実用性を十分に考えることも大事なのです。
2011年05月14日
フィールドテスト
先月末から施工中の新城市の現場にて、屋根用塗料のフィールドテストを行っている。
塗料とは、塗料メーカーの技術部門において、化学の専門家が配合を考えつつ、まずは製品の第一段階をつくる。
このあと、熱を与えたり、乾燥させたり、湿潤した環境に置いたりという、実験室の室内でのテストを何回、何十回と繰り返し、一つの製品となるべく、データー収集を繰り返す。
その後、収集したデーターを元に、塗料の基礎となる薬品の配合割合が決定するのです。
しかし、そのまま発売に向けて進むのではなく、第二段階として、室外へ露出させてのテストへ。
これを暴露試験と言い、メーカーの屋上や屋根の上など、あっちこっちに塗装した板を並べたりしながら、1ヶ月、3ヶ月、半年と、やはりデーター収集を重ねるのです。
こうした実験の繰り返しの後、製品として販売しても問題ないだろうという段階になり、これが私のところやってくるような塗料。
過去、数多くの材料のテストをしてきたので、おそらく辛口評価(?)な私のところへ、よくまあ製品を持ってくるものだ(笑)
なんて事は無いのだが、一つの製品ばかり使うと言うよりも、フィールドテストとは別に、自分の好奇心に任せ、年間を通してさまざまな材料を試すので、自分で言うのもなんだが、テストの素地はあるつもり。
今回は、屋根のアスファルトシングル材用の下塗り塗料のテスト。
ただし、従来の製品の改良版なので、特別問題があると言うことは、まずあり得ない。
もちろん、これはメーカーの技術者を信頼できるか否かによるところも大きく、テストを受けるにあたっても、ダメだと思えば使うことは無いのです。
まあそれ以前に、辛口のところはあると自覚もしているぐらいなので、技術部から営業サイドを通じて依頼が来るという段階で、営業に敬遠されることも十分ありえるだろうと・・・(笑)
さて、今回の材料について、どのような評価を下そうか。
よりよい製品作りの手助けとなるように、私見をふんだんに盛り込んだ評価を行うのです。
塗料とは、塗料メーカーの技術部門において、化学の専門家が配合を考えつつ、まずは製品の第一段階をつくる。
このあと、熱を与えたり、乾燥させたり、湿潤した環境に置いたりという、実験室の室内でのテストを何回、何十回と繰り返し、一つの製品となるべく、データー収集を繰り返す。
その後、収集したデーターを元に、塗料の基礎となる薬品の配合割合が決定するのです。
しかし、そのまま発売に向けて進むのではなく、第二段階として、室外へ露出させてのテストへ。
これを暴露試験と言い、メーカーの屋上や屋根の上など、あっちこっちに塗装した板を並べたりしながら、1ヶ月、3ヶ月、半年と、やはりデーター収集を重ねるのです。
こうした実験の繰り返しの後、製品として販売しても問題ないだろうという段階になり、これが私のところやってくるような塗料。
過去、数多くの材料のテストをしてきたので、おそらく辛口評価(?)な私のところへ、よくまあ製品を持ってくるものだ(笑)
なんて事は無いのだが、一つの製品ばかり使うと言うよりも、フィールドテストとは別に、自分の好奇心に任せ、年間を通してさまざまな材料を試すので、自分で言うのもなんだが、テストの素地はあるつもり。
今回は、屋根のアスファルトシングル材用の下塗り塗料のテスト。
ただし、従来の製品の改良版なので、特別問題があると言うことは、まずあり得ない。
もちろん、これはメーカーの技術者を信頼できるか否かによるところも大きく、テストを受けるにあたっても、ダメだと思えば使うことは無いのです。
まあそれ以前に、辛口のところはあると自覚もしているぐらいなので、技術部から営業サイドを通じて依頼が来るという段階で、営業に敬遠されることも十分ありえるだろうと・・・(笑)
さて、今回の材料について、どのような評価を下そうか。
よりよい製品作りの手助けとなるように、私見をふんだんに盛り込んだ評価を行うのです。
2010年11月11日
オープンタイム
塗料には、オープンタイムという、塗装に際しての時間的制約(塗り重ね乾燥時間)がある。
本日作業をしていたプールの塗り替えで、プライマー塗りをしたのだが、この制約の時間が、私を悩ませたのです・・・・・。
今回使用したプライマーは、プール塗装の第一段階となるもの。
2液のエポキシ系プライマーにポルトラントセメントを混錬して使用するものなのだが、カタログ記載のオープンタイムは、気温20℃で3時間以上2日以内と言うもの。
この続きは会社ブログへ移動しました
http://www.hamana-k.com/diary/2010/11/post-26.html
本日作業をしていたプールの塗り替えで、プライマー塗りをしたのだが、この制約の時間が、私を悩ませたのです・・・・・。
今回使用したプライマーは、プール塗装の第一段階となるもの。
2液のエポキシ系プライマーにポルトラントセメントを混錬して使用するものなのだが、カタログ記載のオープンタイムは、気温20℃で3時間以上2日以内と言うもの。
この続きは会社ブログへ移動しました
http://www.hamana-k.com/diary/2010/11/post-26.html
2010年09月09日
現場訪問
本日の午前中は、塗料メーカーM社の部長がやってきた。
このメーカーは、営業力の強さは無いものの、技術力は高いものを持っている、塗料製造メーカーである。
そんなメーカーの営業部長がやってくると言う事で、担当営業マンから話があり、何箇所かの施工現場を回りたいと言うことであったのです。
そこで、現場近くのコンビにで待ち合わせ、そのメーカーで最も力を入れている製品を採用した現場へ。
次に、そのメーカーの新製品を試した現場へ。
最初の現場は、施工後約1年。
次の現場は約半年しか経過していないため、当然のことながら、何の不具合も無いので、あくまで見てもらうと言うだけの趣旨なのだが、そこは捻くれものの私のことですから、当然そのまま帰すような事はしない・・・・・。
他の現場にて、気になる現象の写真を用意し、それを見ながら話をしたり、主観、経過観察による気付きなど、およそ1時間程話をしたのだが、その間にいろいろと突っ込んでみたのです。
ただし、さすがは執行役員でもある営業部長、あたりは柔らかいし、とにかく姿勢が低い。
まあ、こんな面倒な業者ですから、それなりに警戒もしているのだろが(笑)
とにかく、今後のお互いの情報交換など話など、私にとっては有意義な時間となったのです。
但し、これが技術系の方であったならば・・・・・、とても1時間では話は終らなかっただろう(笑)
このメーカーは、営業力の強さは無いものの、技術力は高いものを持っている、塗料製造メーカーである。
そんなメーカーの営業部長がやってくると言う事で、担当営業マンから話があり、何箇所かの施工現場を回りたいと言うことであったのです。
そこで、現場近くのコンビにで待ち合わせ、そのメーカーで最も力を入れている製品を採用した現場へ。
次に、そのメーカーの新製品を試した現場へ。
最初の現場は、施工後約1年。
次の現場は約半年しか経過していないため、当然のことながら、何の不具合も無いので、あくまで見てもらうと言うだけの趣旨なのだが、そこは捻くれものの私のことですから、当然そのまま帰すような事はしない・・・・・。
他の現場にて、気になる現象の写真を用意し、それを見ながら話をしたり、主観、経過観察による気付きなど、およそ1時間程話をしたのだが、その間にいろいろと突っ込んでみたのです。
ただし、さすがは執行役員でもある営業部長、あたりは柔らかいし、とにかく姿勢が低い。
まあ、こんな面倒な業者ですから、それなりに警戒もしているのだろが(笑)
とにかく、今後のお互いの情報交換など話など、私にとっては有意義な時間となったのです。
但し、これが技術系の方であったならば・・・・・、とても1時間では話は終らなかっただろう(笑)
2010年08月22日
含浸か?造膜か?
現在施工中の現場は、化粧垂木を見せる和風住宅となっている。
この化粧垂木を見せると言う事は、木を紫外線や風雨の影響にさらす事になるので、その痛みに対しての対策が必要になるのです。
この対策として、「塗装をする」事が一つの方法となるわけですが、単純に塗装とは言っても、塗料選びによって、その後の見た目が大きく変化してくるのです。
そのため、使用する塗料を選ぶ基準として私が考えるのが、基本的には木材の呼吸を妨げない、木材保護塗料の分野から、木材への浸透力、顔料の耐紫外線性能、塗料の臭気など・・・・・。
塗料を選ぶ際の基準をこのようにして、使用感、テスト結果を踏まえて選定しているのです。
この木材の呼吸を妨げないというのは、そもそも木というのは、水分を吸い込んで膨張し、乾燥して縮むという、乾燥収縮を繰り返す性質があるので、塗料の膜で覆うことは、木の収縮を阻害してしまうと考えているから。
なので、塗装の膜を作らずに、油分、樹脂分が木材に浸透するものを選ぶというわけ。
ただし、木材保護浸透塗料とは言いながら、中には半造膜というものもあり、実はコレが年数経過後が見苦しい。
どの製品と言う固有名詞は出さないが、半造膜タイプは、とても着色が容易。
これは、含浸率が高い塗料に比べ、1回塗りでも、綺麗に色がのるのです。
そして年数の経過にともなって表面に残った顔料は、見苦しく斑になってしまうというわけ・・・・・。
この写真は軒裏となる部分なので、直接紫外線の影響を受けないため、斑に日焼けする確立は低いのだが、それでも見苦しいと思うのは、私だけでは無いだろう。
パッと見に仕上げ易さを取るのか? それとも多少塗り回数は増えても、と思うのか?
単純に労力を考えれば前者なのだが、大事なのは時間の経過によってどのようになるのか?ということと、保護すると言う事を考えての選択が、大事になってくるのです・・・・・。
この化粧垂木を見せると言う事は、木を紫外線や風雨の影響にさらす事になるので、その痛みに対しての対策が必要になるのです。
この対策として、「塗装をする」事が一つの方法となるわけですが、単純に塗装とは言っても、塗料選びによって、その後の見た目が大きく変化してくるのです。
そのため、使用する塗料を選ぶ基準として私が考えるのが、基本的には木材の呼吸を妨げない、木材保護塗料の分野から、木材への浸透力、顔料の耐紫外線性能、塗料の臭気など・・・・・。
塗料を選ぶ際の基準をこのようにして、使用感、テスト結果を踏まえて選定しているのです。
この木材の呼吸を妨げないというのは、そもそも木というのは、水分を吸い込んで膨張し、乾燥して縮むという、乾燥収縮を繰り返す性質があるので、塗料の膜で覆うことは、木の収縮を阻害してしまうと考えているから。
なので、塗装の膜を作らずに、油分、樹脂分が木材に浸透するものを選ぶというわけ。
ただし、木材保護浸透塗料とは言いながら、中には半造膜というものもあり、実はコレが年数経過後が見苦しい。
どの製品と言う固有名詞は出さないが、半造膜タイプは、とても着色が容易。
これは、含浸率が高い塗料に比べ、1回塗りでも、綺麗に色がのるのです。
そして年数の経過にともなって表面に残った顔料は、見苦しく斑になってしまうというわけ・・・・・。
この写真は軒裏となる部分なので、直接紫外線の影響を受けないため、斑に日焼けする確立は低いのだが、それでも見苦しいと思うのは、私だけでは無いだろう。
パッと見に仕上げ易さを取るのか? それとも多少塗り回数は増えても、と思うのか?
単純に労力を考えれば前者なのだが、大事なのは時間の経過によってどのようになるのか?ということと、保護すると言う事を考えての選択が、大事になってくるのです・・・・・。
2010年04月06日
味付けは?
今回の塗り替え現場にて、屋根塗装に使用している塗料は、フッ素樹脂塗料。
ちなみに塗料に使われるフッ素樹脂は、「3フッ化(3F)」と「4フッ化(4F)」の2種類。
原料となる樹脂を製造するメーカーは、このそれぞれのメーカーしか無いと言っても過言ではないぐらい・・・・・。
と言う事は、必然的に「味付け以外の中身は同じ」と言う事に。
そうは言っても、各塗料メーカーも原料は仕入れるが、味付け(添加物やその他配合される薬品)について研究開発を重ね、それぞれ独自性を出しているのです。
もちろん、今回の「水系パワーフロン」についても同様。
ただし、味付け以外にも、含まれる樹脂の量やバランスによって、耐久性能に大きな差を生じてしまうのです。
しかも、それが塗料の特徴であり、その大きな差と言うのは、塗装後の年数経過によってしか、事実を把握することが出来ない、とても困ったもの・・・・・・。
言ってみれば、塗料とはブラックボックス。
しかし、ブラックボックスだからと諦めているだけでは、何の解決にもならないので、その味付けについて、少しでも使う側の要望を添加できればと思うのは、必然的な流れ。
そこで、多くのメーカーの製品を使い、試し、さらに味付けを感じ取り、メーカーへ注文を付ける。
まあ、メーカーにとってみれば、クレーマー扱いかもしれないが(笑)
そんな思いで、今回使用している塗料の味付けを感じている。
この作業こそが、塗料の選定をする、仕様を決めるものの楽しみなのです(笑)
世の中は、それをマニアと称するのかも知れないが、全ては、最終的な仕上がりと完成度において、お客様に満足していただくための、一つのプロセスでしか無いのです・・・・・。
ちなみに塗料に使われるフッ素樹脂は、「3フッ化(3F)」と「4フッ化(4F)」の2種類。
原料となる樹脂を製造するメーカーは、このそれぞれのメーカーしか無いと言っても過言ではないぐらい・・・・・。
と言う事は、必然的に「味付け以外の中身は同じ」と言う事に。
そうは言っても、各塗料メーカーも原料は仕入れるが、味付け(添加物やその他配合される薬品)について研究開発を重ね、それぞれ独自性を出しているのです。
もちろん、今回の「水系パワーフロン」についても同様。
ただし、味付け以外にも、含まれる樹脂の量やバランスによって、耐久性能に大きな差を生じてしまうのです。
しかも、それが塗料の特徴であり、その大きな差と言うのは、塗装後の年数経過によってしか、事実を把握することが出来ない、とても困ったもの・・・・・・。
言ってみれば、塗料とはブラックボックス。
しかし、ブラックボックスだからと諦めているだけでは、何の解決にもならないので、その味付けについて、少しでも使う側の要望を添加できればと思うのは、必然的な流れ。
そこで、多くのメーカーの製品を使い、試し、さらに味付けを感じ取り、メーカーへ注文を付ける。
まあ、メーカーにとってみれば、クレーマー扱いかもしれないが(笑)
そんな思いで、今回使用している塗料の味付けを感じている。
この作業こそが、塗料の選定をする、仕様を決めるものの楽しみなのです(笑)
世の中は、それをマニアと称するのかも知れないが、全ては、最終的な仕上がりと完成度において、お客様に満足していただくための、一つのプロセスでしか無いのです・・・・・。
2010年03月25日
ナフサ
昼食のため入ったお店で、何気なく手に取った新聞は経済新聞。
注文した料理が出てくる前の間、紙面を読んでいると、思わず目に止まった文字が。
「ナフサの価格が上昇」
このナフサとは、シンナーや塗料など原料であり、原油を精製したもの。
数年前、原油価格の高騰=ナフサの高騰によって、シンナー、塗料、防水材、養生ビニールをはじめとして、ガルバ鋼に至るまで、あっという間に値上がりし、大変な思いをしたのです。
この大変な思いとは、とにかく製品価格がどんどん上がっていくため、見積もりするにも困ってしまい、見積もり有効期限を短くせざるをえない状態だったこと・・・・・(苦笑)
またあれは辛い。
ただし、現在の市場動向から考えて、あのような価格上昇は無いので、心配する程では無いのだが、それでも思わず心配になってしまうのです。
実際のところ、紙面の価格を見たところで、それがどのような価格帯なのかは全く不明ですし(笑)
それにしても、さすが経済新聞。
何気なくが、時間潰しには良い時間であった(笑)
注文した料理が出てくる前の間、紙面を読んでいると、思わず目に止まった文字が。
「ナフサの価格が上昇」
このナフサとは、シンナーや塗料など原料であり、原油を精製したもの。
数年前、原油価格の高騰=ナフサの高騰によって、シンナー、塗料、防水材、養生ビニールをはじめとして、ガルバ鋼に至るまで、あっという間に値上がりし、大変な思いをしたのです。
この大変な思いとは、とにかく製品価格がどんどん上がっていくため、見積もりするにも困ってしまい、見積もり有効期限を短くせざるをえない状態だったこと・・・・・(苦笑)
またあれは辛い。
ただし、現在の市場動向から考えて、あのような価格上昇は無いので、心配する程では無いのだが、それでも思わず心配になってしまうのです。
実際のところ、紙面の価格を見たところで、それがどのような価格帯なのかは全く不明ですし(笑)
それにしても、さすが経済新聞。
何気なくが、時間潰しには良い時間であった(笑)
2010年03月09日
黄砂?
先日の東京出張の成果が早速あらわれた本日。
気になっている塗装面の変化について、その塗料の担当である役員がやってきたのです。
技術部門を統括する役員は、工学博士でもあり、この塗料開発にも携わりに非常に強い思い入れがあるらしい。
そのため、今までの質問に対する回答は、はっきり言って現場の理解もせずに、思い込みで決めつけられたような答えしか返ってこなかったのです。
それこそ、担当営業から報告書を上げても、毎回同じ答えにしかならないような・・・・・・。
なので今回、ちょっと強引な手法を用いた事で、あっという間の現場確認となったのですが、そこでようやく思い込みと違うという事を認識してもらった。
だいたい判を押したような答えである、「笠木のチョーキング粉が流れて塗膜に引っ掛かる」という事ばかり聞いていたので、そういうこじつけを聞きたいのでは無いのである。
そこで早速、一緒に屋根に上り、状況を確認。
すると、「黄砂じゃないか?」という話に・・・・・。
確かに、カーボンのような黒い汚れと違い、無機物の黄砂であれば、塗膜に引っ掛かりやすいのは判る。
しかし、本当に黄砂かどうかは、検証をしていない現時点は不明。
なので、とりあえずは実験、検証にてどうなるのか?を確認してもらう話になったのだが、本当か嘘かは判らないが、このような事象は初めて目にしたとのこと。
まあ、ミクロの世界の汚れなので、とにかく検証にて事実を確認したいと思うのです・・・・・。
気になっている塗装面の変化について、その塗料の担当である役員がやってきたのです。
技術部門を統括する役員は、工学博士でもあり、この塗料開発にも携わりに非常に強い思い入れがあるらしい。
そのため、今までの質問に対する回答は、はっきり言って現場の理解もせずに、思い込みで決めつけられたような答えしか返ってこなかったのです。
それこそ、担当営業から報告書を上げても、毎回同じ答えにしかならないような・・・・・・。
なので今回、ちょっと強引な手法を用いた事で、あっという間の現場確認となったのですが、そこでようやく思い込みと違うという事を認識してもらった。
だいたい判を押したような答えである、「笠木のチョーキング粉が流れて塗膜に引っ掛かる」という事ばかり聞いていたので、そういうこじつけを聞きたいのでは無いのである。
そこで早速、一緒に屋根に上り、状況を確認。
すると、「黄砂じゃないか?」という話に・・・・・。
確かに、カーボンのような黒い汚れと違い、無機物の黄砂であれば、塗膜に引っ掛かりやすいのは判る。
しかし、本当に黄砂かどうかは、検証をしていない現時点は不明。
なので、とりあえずは実験、検証にてどうなるのか?を確認してもらう話になったのだが、本当か嘘かは判らないが、このような事象は初めて目にしたとのこと。
まあ、ミクロの世界の汚れなので、とにかく検証にて事実を確認したいと思うのです・・・・・。
タグ :塗料
2010年02月04日
重防食
先日も記したのだが、現在施工中の現場には鉄骨階段がある。
鉄骨階段は、実は非常に手間がかかる割には、錆の影響を大きく受けてしまう部位なのです・・・・・。
なので、一時的なコストの面さえクリアできれば、防滑性階段用床材を張るという選択を出来るのだが、今回は雨掛りが少ない事が幸いし、年数の割には錆が少ないので、今回は塗装を提案したのです。
しかし、だからと言って錆が全く無い訳ではないし、鉄の扱いを考えると、錆止めも重要。
そこで、今回の現場は(も)、重防食用の錆止めを選択。
塗り重ね乾燥時間について考えると、建築用錆止めの方が乾きが早いため便利なのだが、便利さと性能が比例する保証は無い事が殆どのため、ついつい膜圧の厚くなる重防食用を選んでしまうのです。
このようにして、錆を出来る限り進行させない、鉄と空気を出来る限り遮断するという考え方にて、錆止めを選択するのです・・・・・。
鉄骨階段は、実は非常に手間がかかる割には、錆の影響を大きく受けてしまう部位なのです・・・・・。
なので、一時的なコストの面さえクリアできれば、防滑性階段用床材を張るという選択を出来るのだが、今回は雨掛りが少ない事が幸いし、年数の割には錆が少ないので、今回は塗装を提案したのです。
しかし、だからと言って錆が全く無い訳ではないし、鉄の扱いを考えると、錆止めも重要。
そこで、今回の現場は(も)、重防食用の錆止めを選択。
塗り重ね乾燥時間について考えると、建築用錆止めの方が乾きが早いため便利なのだが、便利さと性能が比例する保証は無い事が殆どのため、ついつい膜圧の厚くなる重防食用を選んでしまうのです。
このようにして、錆を出来る限り進行させない、鉄と空気を出来る限り遮断するという考え方にて、錆止めを選択するのです・・・・・。
2009年12月10日
相性
昨日からの2日間で、給水タンクの塗装を行った。
この給水タンクがFRPのパネル構造であった事は昨日も記したことだが、選定する塗料にもポイントがあるのです。
今回の塗装にあたって、鉄骨部分に関しては錆の進行が酷かったため、強溶剤の重防食用エポキシ錆止めを使用。
ただし、FRPと最も相性が良いのはウレタン樹脂なので、タンク全体を塗装しようと考えるとウレタンという事になるのだが、亜鉛メッキのパネル枠や、ボルトを考えると、錆止めにはエポキシを使いたいと思うという、なんとも相性について悩んでしまうものなのです。
これらの相性を無視しても、おそらく剥がれる可能性は低いと思うのだが、じゃあテキトーに、という訳にはいかないのです。
それに、10年後に剥がれを心配しなくて済むような仕様にしたいと思うし、コストはできるだけ抑えたいとおも思うし・・・・・。
ただし、塗料のカタログを読んでいると、メーカーのカタログ表記には、エポキシ錆止めを全体に塗装するという仕様もあり、もっとも相性の良いのはウレタン樹脂なのだが、エポキシでも問題は無いという事になるのだろう・・・・・。
そこで考えたのが、ウレタン樹脂とエポキシ樹脂の変性タイプの塗料である。
これにより、鋼製部分の錆止めを兼ねることができるし、FRPとの付着も大丈夫であろうかと・・・。
まあ、選定については考え方がイロイロあるのだが、下地と塗料との相性を考えつつ、仕上げをしていくのです。
この給水タンクがFRPのパネル構造であった事は昨日も記したことだが、選定する塗料にもポイントがあるのです。
今回の塗装にあたって、鉄骨部分に関しては錆の進行が酷かったため、強溶剤の重防食用エポキシ錆止めを使用。
ただし、FRPと最も相性が良いのはウレタン樹脂なので、タンク全体を塗装しようと考えるとウレタンという事になるのだが、亜鉛メッキのパネル枠や、ボルトを考えると、錆止めにはエポキシを使いたいと思うという、なんとも相性について悩んでしまうものなのです。
これらの相性を無視しても、おそらく剥がれる可能性は低いと思うのだが、じゃあテキトーに、という訳にはいかないのです。
それに、10年後に剥がれを心配しなくて済むような仕様にしたいと思うし、コストはできるだけ抑えたいとおも思うし・・・・・。
ただし、塗料のカタログを読んでいると、メーカーのカタログ表記には、エポキシ錆止めを全体に塗装するという仕様もあり、もっとも相性の良いのはウレタン樹脂なのだが、エポキシでも問題は無いという事になるのだろう・・・・・。
そこで考えたのが、ウレタン樹脂とエポキシ樹脂の変性タイプの塗料である。
これにより、鋼製部分の錆止めを兼ねることができるし、FRPとの付着も大丈夫であろうかと・・・。
まあ、選定については考え方がイロイロあるのだが、下地と塗料との相性を考えつつ、仕上げをしていくのです。
2009年09月03日
部位ごとに
施工中の現場にて、思ってもいなかったトラブルが発生。
トラブルとは言っても、人的なものや、その他の被害の話では無いのだが、軒裏となっている部分で、既存塗膜に大きな問題が生じていたのです・・・・・。
一般的な木造や鉄骨造住宅の場合、軒裏などは珪酸カルシウム板を張っていたり、木材を張っていたりして、若干の通気はある状態。
一方、RC造となると型枠の中にコンクリートを流し込んで作られる建物であるため、ある意味、外壁も軒裏も一体構造となっているのです。
もちろん、それが全てではないしろ、大多数の建物に当てはまる話。
今回の現場において、一部デザイン的に施工を頑張った部位があり、そこが屋上パラペットと一部軒裏となっているのですが、旧塗膜が、そこらじゅう浮き上がっているのです。
おそらく旧塗膜は弾性系のものであると予測され、屋上からの水分などの影響で、下地の水分が逃げ場をなくし、塗膜を押し出しているのだと予想・・・・・。
このような部位でのトラブル、実は非常に多い事例であり、屋上(屋根)からの漏水(雨漏り)、結露など、気がつかないうちに水分の影響を受けているのです。
そのため、外壁側には弾性系塗膜を塗ったとしても、軒裏となる部分には、通気を妨げないような薄膜の塗装が最適となるのです。
但し、通気を妨げない塗膜とは言っても、塗り替えに多く用いられている微弾性フィーラーなどの下塗りも、透湿効果(湿度は塗膜を通過するという塗膜内の分子構造)があると言って、使用しても大丈夫だと勘違いしてしまう場合もあるのですが、これも膨れなどの危険度はあるのです。
そんな訳で、部位ごとに仕様の選定、塗料の選定が非常に重要となるのです。
今回のようなケースの場合、言いも悪いもなく、既存塗膜は全面撤去・・・・・、ようするに剥がしてしまうしかないのです。
う~ん、どのタイミングで取り掛かろうか・・・・・作業予定に頭を悩ませます。
トラブルとは言っても、人的なものや、その他の被害の話では無いのだが、軒裏となっている部分で、既存塗膜に大きな問題が生じていたのです・・・・・。
一般的な木造や鉄骨造住宅の場合、軒裏などは珪酸カルシウム板を張っていたり、木材を張っていたりして、若干の通気はある状態。
一方、RC造となると型枠の中にコンクリートを流し込んで作られる建物であるため、ある意味、外壁も軒裏も一体構造となっているのです。
もちろん、それが全てではないしろ、大多数の建物に当てはまる話。
今回の現場において、一部デザイン的に施工を頑張った部位があり、そこが屋上パラペットと一部軒裏となっているのですが、旧塗膜が、そこらじゅう浮き上がっているのです。
おそらく旧塗膜は弾性系のものであると予測され、屋上からの水分などの影響で、下地の水分が逃げ場をなくし、塗膜を押し出しているのだと予想・・・・・。
このような部位でのトラブル、実は非常に多い事例であり、屋上(屋根)からの漏水(雨漏り)、結露など、気がつかないうちに水分の影響を受けているのです。
そのため、外壁側には弾性系塗膜を塗ったとしても、軒裏となる部分には、通気を妨げないような薄膜の塗装が最適となるのです。
但し、通気を妨げない塗膜とは言っても、塗り替えに多く用いられている微弾性フィーラーなどの下塗りも、透湿効果(湿度は塗膜を通過するという塗膜内の分子構造)があると言って、使用しても大丈夫だと勘違いしてしまう場合もあるのですが、これも膨れなどの危険度はあるのです。
そんな訳で、部位ごとに仕様の選定、塗料の選定が非常に重要となるのです。
今回のようなケースの場合、言いも悪いもなく、既存塗膜は全面撤去・・・・・、ようするに剥がしてしまうしかないのです。
う~ん、どのタイミングで取り掛かろうか・・・・・作業予定に頭を悩ませます。
2009年06月16日
付着テスト
先日テスト塗りした部位へ、付着テストを行った。
製品そのもののテストをする際には、平滑な板に塗っておいて、カッターで細かな傷をつけたうえで、テープを貼って剥がしてということをするのですが、今回は外壁の既存塗膜との付着力をテストするものである。
現在ある旧塗膜は、ハウスメーカーが新築時に吹き付けた、石材調吹付けの仕様。
この頃の石材調の仕上げは、下塗り→石材調骨材吹付け→クリアー吹付け というもの。
実はこの最終仕上げ材のクリアーが、なかなか強固な表面強度があり、塗り替えの妨げになる場合もあるのです。
その妨げが付着についてのことであり、例えば一般的な微弾性フィーラーなどを塗った場合、簡単に剥れてしまう恐れが・・・。
なぜなら微弾性フィーラーなどは、ある程度の塗装膜の厚み確保する事が目的のものであり、付着力はそれほど強いものではないので、下地への強固な付着を求める際には、シーラーを使用しなければならないのです。
特に今回のような「石材調」や「じゅらく」「スキン」などの仕上げ材はの場合は、塗装が付着しにくいので注意が必要というわけ
。
そんな状況で、下塗り材に強固な付着力のある製品を選んでいるのですが、それでもテストをして、確実な事を自分の目で確かめるのです。
まずは下塗り部分へ、カッターで傷を入れ、そのうえにガムテープを貼り付け。
指でガムテープ表面を擦り、塗装面になじませた後に、ガムテープを剥がすというのが付着テスト。
結果は・・・・・・・・、まったく問題なし。
大丈夫という確信を持ちながら下塗り塗料を選定している訳ですが、それでもガムテープを剥がす瞬間は、なんとなく緊張(笑)
なにせハウスメーカーの塗装仕様は、やたらオリジナル仕様にしたがる傾向があり、それもメ新築からメンテナンスへは別会社担当へ移行することが多いため、メンテナンス性もあまり考慮されていない事があるような気がするのです・・・・・。
そういう意味では、無駄な意地を通すようなオリジナル(?)仕様ばかりを作るのではなく、お客様のメンテナンス性を考慮する仕様を考えて貰いたいもの。
なんて、話が脱線してしまいましたが、とにかく付着テストは問題なし、これで安心して塗り替えが進められます。
製品そのもののテストをする際には、平滑な板に塗っておいて、カッターで細かな傷をつけたうえで、テープを貼って剥がしてということをするのですが、今回は外壁の既存塗膜との付着力をテストするものである。
現在ある旧塗膜は、ハウスメーカーが新築時に吹き付けた、石材調吹付けの仕様。
この頃の石材調の仕上げは、下塗り→石材調骨材吹付け→クリアー吹付け というもの。
実はこの最終仕上げ材のクリアーが、なかなか強固な表面強度があり、塗り替えの妨げになる場合もあるのです。
その妨げが付着についてのことであり、例えば一般的な微弾性フィーラーなどを塗った場合、簡単に剥れてしまう恐れが・・・。
なぜなら微弾性フィーラーなどは、ある程度の塗装膜の厚み確保する事が目的のものであり、付着力はそれほど強いものではないので、下地への強固な付着を求める際には、シーラーを使用しなければならないのです。
特に今回のような「石材調」や「じゅらく」「スキン」などの仕上げ材はの場合は、塗装が付着しにくいので注意が必要というわけ
。
そんな状況で、下塗り材に強固な付着力のある製品を選んでいるのですが、それでもテストをして、確実な事を自分の目で確かめるのです。
まずは下塗り部分へ、カッターで傷を入れ、そのうえにガムテープを貼り付け。
指でガムテープ表面を擦り、塗装面になじませた後に、ガムテープを剥がすというのが付着テスト。
結果は・・・・・・・・、まったく問題なし。
大丈夫という確信を持ちながら下塗り塗料を選定している訳ですが、それでもガムテープを剥がす瞬間は、なんとなく緊張(笑)
なにせハウスメーカーの塗装仕様は、やたらオリジナル仕様にしたがる傾向があり、それもメ新築からメンテナンスへは別会社担当へ移行することが多いため、メンテナンス性もあまり考慮されていない事があるような気がするのです・・・・・。
そういう意味では、無駄な意地を通すようなオリジナル(?)仕様ばかりを作るのではなく、お客様のメンテナンス性を考慮する仕様を考えて貰いたいもの。
なんて、話が脱線してしまいましたが、とにかく付着テストは問題なし、これで安心して塗り替えが進められます。
2009年04月30日
昔の塗料
スレート屋根の難しさについて、昨日記したのだが、本日は昔の塗料について一言・・・・・。
今回、塗装を出来ると判断できた材料の一つに、既存の塗装状態があるのです。
まずは、洗浄に耐えられるのか?
そして新たな塗装によって、溶けたり、剥れたりすることは無いのか?
など・・・・・。
これらをクロスカットと言う方法でチェックするのだが、塗装前に、一部をシンナーで拭いて、溶解するかどうかをチェックした後に、カッターでちょっとした傷をつけ、ガムテープを張って、剥がして、そのガムテープにどれだけ塗料がくっついてついてくるかをチェックすると言うもの。
このようなチェックに耐えられる塗膜であれば、昔の塗料が基材に染込んで固まっていると判断できるし、上塗が密着していると判断できると言う訳なのです。
今回は、それら全てOKラインであり、塗装の判断が出来たのです。
この昔塗装されたものを推測すると、おそらく溶剤系アクリル塗料。
いわゆる昔の塗料であり、臭い塗料でオーソドックスなものなのだが、今塗り替えようとするこの手の屋根に使われているのは、殆どがこの塗料なのです。
ただし、洗浄はきちんとされたのだろうと言う推測がつくし、もちろん希釈にも無理は無かったのだろうが、このような昔の塗料は、特質すべき性能は全く無いのだが、それでも案外長持ちしているのです。
その臭い塗料は、今で言う強溶剤塗料というくくりで、強力な溶解力を持つシンナーで希釈するのものですから、今では、環境負荷・環境配慮という観点から、まず使われる事は無いのです。
ところが、いわゆる樹脂のグレードが昔の塗料が、臭さ、強烈さと引き換えに、今の「安全」がキーワードの高級塗料と比較しても、付加機能は無いもの、長持ちを実感できると言うのも皮肉な話である。
なんだか、難しい話ではあるが、昔の臭い塗料に、案外感心している今回の現場。
10年以上経過して、洗浄に耐えられるのだから、そりゃぁたいしたものだ。
今回、塗装を出来ると判断できた材料の一つに、既存の塗装状態があるのです。
まずは、洗浄に耐えられるのか?
そして新たな塗装によって、溶けたり、剥れたりすることは無いのか?
など・・・・・。
これらをクロスカットと言う方法でチェックするのだが、塗装前に、一部をシンナーで拭いて、溶解するかどうかをチェックした後に、カッターでちょっとした傷をつけ、ガムテープを張って、剥がして、そのガムテープにどれだけ塗料がくっついてついてくるかをチェックすると言うもの。
このようなチェックに耐えられる塗膜であれば、昔の塗料が基材に染込んで固まっていると判断できるし、上塗が密着していると判断できると言う訳なのです。
今回は、それら全てOKラインであり、塗装の判断が出来たのです。
この昔塗装されたものを推測すると、おそらく溶剤系アクリル塗料。
いわゆる昔の塗料であり、臭い塗料でオーソドックスなものなのだが、今塗り替えようとするこの手の屋根に使われているのは、殆どがこの塗料なのです。
ただし、洗浄はきちんとされたのだろうと言う推測がつくし、もちろん希釈にも無理は無かったのだろうが、このような昔の塗料は、特質すべき性能は全く無いのだが、それでも案外長持ちしているのです。
その臭い塗料は、今で言う強溶剤塗料というくくりで、強力な溶解力を持つシンナーで希釈するのものですから、今では、環境負荷・環境配慮という観点から、まず使われる事は無いのです。
ところが、いわゆる樹脂のグレードが昔の塗料が、臭さ、強烈さと引き換えに、今の「安全」がキーワードの高級塗料と比較しても、付加機能は無いもの、長持ちを実感できると言うのも皮肉な話である。
なんだか、難しい話ではあるが、昔の臭い塗料に、案外感心している今回の現場。
10年以上経過して、洗浄に耐えられるのだから、そりゃぁたいしたものだ。
2009年03月20日
天日干し
先日のこと、会合にて話をしていて、塗料の話になった。
私たちが行っている塗装とは「塗料と言う液体を、天日干しして完成させるものである」と言う話をした友人がおり、妙に納得してしまったのです。
確かに、塗装を料理に例えるならば、煮たり焼いたりボイルしたりという一定条件ではなく、自然と言うおよそ安定しない環境の中で天日干しをするのだから、その性能を発揮させられるか否かと言われても、なかなか難しいものがある。
だからこそ、製品の良し悪しという、使う側の感覚で商品を選び、気温や湿度に気を配り、目で比較できないぐらいの厚みの差を考えて使うのです。
なんだか、やたら難しい話になってしまうのだが、たかが塗料・塗装と言っても、その難しさという奥深さがあるのです。
考えてみれば、塗装に限った話ではなく、雨漏りについても同様で、ちょっと「かじった」だけだと、なぜだか簡単に思えてしまう事もある。
そして多くの雨漏りに向き合っていると、厄介で難しい事例にぶち当たるときがある。
そのときに、判らないと諦めてしまうのか、それとも挑戦し続けて解決を目指すのかで、雨漏りの奥深さを理解できるか出来ないかの、大きな分岐点を迎えることとなるのです。
となると、塗装にしろ雨漏りにしろ、難しいと思い込み、諦めてしまったら終わりなのである。
そんな話で思い出すのが、塗料にに関して事なのだが、塗料には1液の塗料と2液のものがあり、2液の場合は秤を使って主剤と硬化剤を計量及び混合し、1液も2液も、希釈割合を重量比で計算をし、これもまた計量し混合するのです。
となると、秤を使わないで、塗料を使用するのは無謀な話であり、秤を使う事が当たり前の事なのである。
しかし、ある同業者と話をしていたら、「ウチの職人に言っても秤を使わないし使えないし、それに難しい使い方の2液よりも、市場のニーズとして1液の方が良いのである。」と・・・・・。
「ちょっと待てよ!! そりゃあ違うよ!!!」
と言って、議論になったのは言うまでも無いのだが(笑)、秤を使えないと言って諦めてしまっては、それこそプロとしてお金を頂く事が出来るのであろうか?
難しいからこそプロの出番があり、腕の見せ所となると思うのです。
ただし、そこまで気を配り、技術を駆使しても、最後の最後に天日干しという条件によって、出来上がりが左右されてしまうとは・・・・・。
だからこそ難しさがあり、奥が深いという話である。
と言う事で、施工する側の人間はここまで考えていると言うことを、メーカーに理解してもらわなければならないという事が、今年の仕事の一つとなりそうです・・・・・。
私たちが行っている塗装とは「塗料と言う液体を、天日干しして完成させるものである」と言う話をした友人がおり、妙に納得してしまったのです。
確かに、塗装を料理に例えるならば、煮たり焼いたりボイルしたりという一定条件ではなく、自然と言うおよそ安定しない環境の中で天日干しをするのだから、その性能を発揮させられるか否かと言われても、なかなか難しいものがある。
だからこそ、製品の良し悪しという、使う側の感覚で商品を選び、気温や湿度に気を配り、目で比較できないぐらいの厚みの差を考えて使うのです。
なんだか、やたら難しい話になってしまうのだが、たかが塗料・塗装と言っても、その難しさという奥深さがあるのです。
考えてみれば、塗装に限った話ではなく、雨漏りについても同様で、ちょっと「かじった」だけだと、なぜだか簡単に思えてしまう事もある。
そして多くの雨漏りに向き合っていると、厄介で難しい事例にぶち当たるときがある。
そのときに、判らないと諦めてしまうのか、それとも挑戦し続けて解決を目指すのかで、雨漏りの奥深さを理解できるか出来ないかの、大きな分岐点を迎えることとなるのです。
となると、塗装にしろ雨漏りにしろ、難しいと思い込み、諦めてしまったら終わりなのである。
そんな話で思い出すのが、塗料にに関して事なのだが、塗料には1液の塗料と2液のものがあり、2液の場合は秤を使って主剤と硬化剤を計量及び混合し、1液も2液も、希釈割合を重量比で計算をし、これもまた計量し混合するのです。
となると、秤を使わないで、塗料を使用するのは無謀な話であり、秤を使う事が当たり前の事なのである。
しかし、ある同業者と話をしていたら、「ウチの職人に言っても秤を使わないし使えないし、それに難しい使い方の2液よりも、市場のニーズとして1液の方が良いのである。」と・・・・・。
「ちょっと待てよ!! そりゃあ違うよ!!!」
と言って、議論になったのは言うまでも無いのだが(笑)、秤を使えないと言って諦めてしまっては、それこそプロとしてお金を頂く事が出来るのであろうか?
難しいからこそプロの出番があり、腕の見せ所となると思うのです。
ただし、そこまで気を配り、技術を駆使しても、最後の最後に天日干しという条件によって、出来上がりが左右されてしまうとは・・・・・。
だからこそ難しさがあり、奥が深いという話である。
と言う事で、施工する側の人間はここまで考えていると言うことを、メーカーに理解してもらわなければならないという事が、今年の仕事の一つとなりそうです・・・・・。
2009年03月07日
施工店勉強会
本日は、朝イチの新幹線で東京へ。
なんだか1ヶ月に最低1~2回はどこかへ出張に出ているような状況なのだが、今回は塗料メーカーの施工店向け勉強会。
勉強会といっても、基本的に難しい勉強をするのではなく、年1回の顔合わせみたいな印象が強く、新製品説明会と、ちょっとした施工注意部位についての説明などで数時間。
この時間が目から鱗であるかどうかは、自身の判断するところなのだが、時間を割いてこのような場所に行くことで、必ず何かしらの収穫があるのです。
今回は・・・・・、このメーカーの外装塗料を担当する技術部と直接話をし、質問をし、さらに宿題を出す事となって、まずはコレが収穫1.
次に、このメーカーの社長と担当営業の3人で20分ほど話しをする時間がとれ、とある案件についての苦情と提案、材料についての改善要望(あくまで希望だが)など、思っていたことをストレートにぶつけてみたのです。
まあ、私のような存在は社長にとってみれば、はっきり言って嫌な存在かも知れないが・・・・・(苦笑)
それでも、タイミングよく訪れた機会を有効利用させてもらったのです(笑)
ただし、このような収穫とは別に、今回久しぶりにお会いできると思っていた、横浜のSさんと、群馬のIさんが、仕事の都合で急遽欠席となり、それが非常に残念。
化け学的な話、塗装というものの本質と追求についての話をできると言う、なとてもオタク数少ない人達なのですが・・・・・。
とは言うものの、埼玉のHさんと二人でじっくり話をする時間が取れたので、これはまた収穫。
まあ欲張りすぎはよくないという事で、Sさん、Iさんについては、次回のお楽しみと言う事にしよう。
そして帰りは、このメーカーの静岡県担当と一緒に新幹線へ。
ここでも東京→静岡間、塗料の話から業界の考え方に至るまで、ずっと話をしながら帰路。
よく考え、よく話し、と言う駆け足な一日であった。
なんだか1ヶ月に最低1~2回はどこかへ出張に出ているような状況なのだが、今回は塗料メーカーの施工店向け勉強会。
勉強会といっても、基本的に難しい勉強をするのではなく、年1回の顔合わせみたいな印象が強く、新製品説明会と、ちょっとした施工注意部位についての説明などで数時間。
この時間が目から鱗であるかどうかは、自身の判断するところなのだが、時間を割いてこのような場所に行くことで、必ず何かしらの収穫があるのです。
今回は・・・・・、このメーカーの外装塗料を担当する技術部と直接話をし、質問をし、さらに宿題を出す事となって、まずはコレが収穫1.
次に、このメーカーの社長と担当営業の3人で20分ほど話しをする時間がとれ、とある案件についての苦情と提案、材料についての改善要望(あくまで希望だが)など、思っていたことをストレートにぶつけてみたのです。
まあ、私のような存在は社長にとってみれば、はっきり言って嫌な存在かも知れないが・・・・・(苦笑)
それでも、タイミングよく訪れた機会を有効利用させてもらったのです(笑)
ただし、このような収穫とは別に、今回久しぶりにお会いできると思っていた、横浜のSさんと、群馬のIさんが、仕事の都合で急遽欠席となり、それが非常に残念。
化け学的な話、塗装というものの本質と追求についての話をできると言う、なとてもオタク数少ない人達なのですが・・・・・。
とは言うものの、埼玉のHさんと二人でじっくり話をする時間が取れたので、これはまた収穫。
まあ欲張りすぎはよくないという事で、Sさん、Iさんについては、次回のお楽しみと言う事にしよう。
そして帰りは、このメーカーの静岡県担当と一緒に新幹線へ。
ここでも東京→静岡間、塗料の話から業界の考え方に至るまで、ずっと話をしながら帰路。
よく考え、よく話し、と言う駆け足な一日であった。
2009年02月21日
不覚
昨日の雨も思ったよりも早く止んでくれたため、午後から塗装開始。
先日の続きである、中空セメント板への下塗りシーラーを塗る作業なのだが、3回目となる今回の塗装で、少しは効果があってほしいという希望があるのだが・・・・・。
そんな希望を持ちながら、本日も強溶剤の2液型エポキシ浸透シーラーを使用して作業。
塗ってみてまず思ったのが、「やっぱり・・・・・・」
先日よりは「まし」にはなったが、それでも吸い込んでしまい、いわゆる濡れ色が持続することがない。
このような状況は、窯業系屋根材の塗装の際には感じられることなのだが、まさか外壁でとは考えていなかった。
一般的な認識で言えば、強溶剤のシーラーは浸透力が強く、樹脂分もたっぷり含まれるもの、と思っていたのだが、それこそ昔の材料と比べると、質が悪くなったか??と思ったほどである。
しかし、よ~く考えてみれば、強溶剤の強い浸透力によって、表層に残るよりも、奥へ奥へと浸透してしまうのではないか?
そうしてみると、昨今の強溶剤から弱溶剤への切り替えの風潮と、使いやすい材料へのモデルチェンジという、一見良くなっていくような現象にに惑わされていたようである。
これは、弱溶剤塗料への慣れであり、浸透力もそこそこで、表層面に樹脂分をたっぷり残すという塗料設計のものが多くなったことで、基材(下地)が痛んでいたとしても、1~2回塗りで浸透して固まったように思い込んでしまうという大きな錯覚。
この錯覚が今回、風化の進行した中空セメント板(ラムダサイディング)において、気付かされたというべきか・・・・・。
自分では下地に合わせて使い分けをしていたつもりだったのが、大きな不覚である。
それにしても、簡単にいかない、上手くいかない、だからこそ大変・・・・・ではなく、壁にぶつかったからこそ、さらに突き詰めたくなるのが、塗装・塗料の化学と言う理論と、実地の差。
こんな事を考えるよりも、使いやすい塗料で、サッと仕上げたほうが商売的には利益がでるのだろうが、利益も大切だが、それ以上に自分のプロとしてのプライドにおいて、最良な下地を作りたい、最善を尽くしてベストな仕上がりにしたいという想いが勝るのです。
う~ん、こんな事を言っていては、儲かるわけないか(苦笑)
先日の続きである、中空セメント板への下塗りシーラーを塗る作業なのだが、3回目となる今回の塗装で、少しは効果があってほしいという希望があるのだが・・・・・。
そんな希望を持ちながら、本日も強溶剤の2液型エポキシ浸透シーラーを使用して作業。
塗ってみてまず思ったのが、「やっぱり・・・・・・」
先日よりは「まし」にはなったが、それでも吸い込んでしまい、いわゆる濡れ色が持続することがない。
このような状況は、窯業系屋根材の塗装の際には感じられることなのだが、まさか外壁でとは考えていなかった。
一般的な認識で言えば、強溶剤のシーラーは浸透力が強く、樹脂分もたっぷり含まれるもの、と思っていたのだが、それこそ昔の材料と比べると、質が悪くなったか??と思ったほどである。
しかし、よ~く考えてみれば、強溶剤の強い浸透力によって、表層に残るよりも、奥へ奥へと浸透してしまうのではないか?
そうしてみると、昨今の強溶剤から弱溶剤への切り替えの風潮と、使いやすい材料へのモデルチェンジという、一見良くなっていくような現象にに惑わされていたようである。
これは、弱溶剤塗料への慣れであり、浸透力もそこそこで、表層面に樹脂分をたっぷり残すという塗料設計のものが多くなったことで、基材(下地)が痛んでいたとしても、1~2回塗りで浸透して固まったように思い込んでしまうという大きな錯覚。
この錯覚が今回、風化の進行した中空セメント板(ラムダサイディング)において、気付かされたというべきか・・・・・。
自分では下地に合わせて使い分けをしていたつもりだったのが、大きな不覚である。
それにしても、簡単にいかない、上手くいかない、だからこそ大変・・・・・ではなく、壁にぶつかったからこそ、さらに突き詰めたくなるのが、塗装・塗料の化学と言う理論と、実地の差。
こんな事を考えるよりも、使いやすい塗料で、サッと仕上げたほうが商売的には利益がでるのだろうが、利益も大切だが、それ以上に自分のプロとしてのプライドにおいて、最良な下地を作りたい、最善を尽くしてベストな仕上がりにしたいという想いが勝るのです。
う~ん、こんな事を言っていては、儲かるわけないか(苦笑)
2009年01月18日
遮熱塗料
昨年の12月、ある会社から「エコ塗料」についてという質問があった。
そのエコ塗料とは、屋根に塗る「遮熱塗料」のことだったのだが、売り込みの時点では、「エコ」とか「環境に」という言葉が最初にうたわれていたらしいのです・・・・・。
質問があれば、その事についての意見を返すのだが、その前にしなければならなかったのは、その製品について知る事。
今回の塗料は、メーカーという商社のモノであり、その宣伝は非常に上手。
ただし、やはり製品を作っているか否かにおいて、使う側である私からすると、そのうたい文句に疑問を持つ部分も多々あるし、遮熱塗料の多くに言えることだが、試験データーの基準が定まっていないことが納得いかないのである。
そもそも遮熱という考え方は、断熱と違い、熱を通さないのではなく、反射するというもの。
これは、遮熱顔料や紫外線吸収剤など、塗料に配合される薬品のバランスによって、その性能が変わるという、実は結構曖昧なもの。
それに、塗ったから必ずしも効果が「体感」出来るのかというと、これも構造物の様々な条件において変化するため、言葉にするのが難しいものなのです。
もちろん、同じ色の塗料において、含まれる成分が遮熱型であれば、試験体表面の温度が違うのは当たり前の話。
あくまでそこから先の話が問題なのである。
結局、私が返事をした答えは、
「遮熱と言うものが曖昧なものなので、その実証・実験データーを示す事が出来る、国内の製造メーカーが明確なものの方が良いと思うし、私に選択権がある場合はそのようにする」
と言うもの。
ただ、どんなに素晴らしいものでも、その工事のレベルによっては、「ただのペンキ」にもなるし、「効果的な材料」にもなるのですから、モノの質より仕事の質が伴ってこそが真実なんですが・・・・・。
そのエコ塗料とは、屋根に塗る「遮熱塗料」のことだったのだが、売り込みの時点では、「エコ」とか「環境に」という言葉が最初にうたわれていたらしいのです・・・・・。
質問があれば、その事についての意見を返すのだが、その前にしなければならなかったのは、その製品について知る事。
今回の塗料は、メーカーという商社のモノであり、その宣伝は非常に上手。
ただし、やはり製品を作っているか否かにおいて、使う側である私からすると、そのうたい文句に疑問を持つ部分も多々あるし、遮熱塗料の多くに言えることだが、試験データーの基準が定まっていないことが納得いかないのである。
そもそも遮熱という考え方は、断熱と違い、熱を通さないのではなく、反射するというもの。
これは、遮熱顔料や紫外線吸収剤など、塗料に配合される薬品のバランスによって、その性能が変わるという、実は結構曖昧なもの。
それに、塗ったから必ずしも効果が「体感」出来るのかというと、これも構造物の様々な条件において変化するため、言葉にするのが難しいものなのです。
もちろん、同じ色の塗料において、含まれる成分が遮熱型であれば、試験体表面の温度が違うのは当たり前の話。
あくまでそこから先の話が問題なのである。
結局、私が返事をした答えは、
「遮熱と言うものが曖昧なものなので、その実証・実験データーを示す事が出来る、国内の製造メーカーが明確なものの方が良いと思うし、私に選択権がある場合はそのようにする」
と言うもの。
ただ、どんなに素晴らしいものでも、その工事のレベルによっては、「ただのペンキ」にもなるし、「効果的な材料」にもなるのですから、モノの質より仕事の質が伴ってこそが真実なんですが・・・・・。
2008年12月21日
耐久性
塗装において、耐久性が最も重要とる部位は、言うまでもなく屋根。
外壁の場合、さまざまな製品が発売され、その付加価値としての低汚染や防カビ防藻と言ったものも多いのだが、屋根用塗料に関しては、付加価値は遮熱効果ぐらいであり、その製品数も外装用に比べれば、ずいぶんと少なくなるのです。
なぜ?屋根は販売されている製品が少ないのかと言うと、ひとえにそれは耐久性以外の何者でもないと断言しても良いのではないかと思っている。
それは外装の痛みのスピードに比べ、屋根の痛みは非常に大きく、その大きさが塗料に使用される樹脂名だけでは、およその耐久年数でさえ表す事が出来ない程。
ちなみにそれを数字として表すと、南向き外壁が一年で痛む数値を1とした場合、南同じ一年で向き30度の屋根が痛む数値は2.5となるとい実験結果があるぐらい・・・・・。
さて、それだけの大きな痛みに耐えるとなると、本来ならばよほど高耐久の製品を使用しなければならないのだが、メーカーとしてもあまり自信が無いのか?はたまた認識が無いのか、仕様として表されるのは、外壁がシリコンならば、屋根もシリコンというようなものだし、オール水性とか言って、とても製品としては使うレベルに無いものでラインナップされているようなメーカーも・・・・・。
そのような部分は、おそらく認識が無さ過ぎるのだろうが、耐久性に低いものを使用すると、塗り替えサイクルが早まってしまう事を意味するので、それだけコストが掛かるということにつながってしまうのです。
かと言って、「20年持つ」と言うような屋根用塗料があるか?と聞かれると、・・・???
結局のところ、期間が長くなればなるほど曖昧になってしまうと言う事もあるので、耐久性については10年が一つの区切りとして説明しているのだが、なんともまあ、耐久性を表すのは難しい話。
製品を自ら作ることが出来ない塗装業者としては、メーカーにもっと努力してもらい、具体的な耐久性をうたえるぐらい、耐久性の高い製品を作ってもらうしか無いのです・・・・・。
外壁の場合、さまざまな製品が発売され、その付加価値としての低汚染や防カビ防藻と言ったものも多いのだが、屋根用塗料に関しては、付加価値は遮熱効果ぐらいであり、その製品数も外装用に比べれば、ずいぶんと少なくなるのです。
なぜ?屋根は販売されている製品が少ないのかと言うと、ひとえにそれは耐久性以外の何者でもないと断言しても良いのではないかと思っている。
それは外装の痛みのスピードに比べ、屋根の痛みは非常に大きく、その大きさが塗料に使用される樹脂名だけでは、およその耐久年数でさえ表す事が出来ない程。
ちなみにそれを数字として表すと、南向き外壁が一年で痛む数値を1とした場合、南同じ一年で向き30度の屋根が痛む数値は2.5となるとい実験結果があるぐらい・・・・・。
さて、それだけの大きな痛みに耐えるとなると、本来ならばよほど高耐久の製品を使用しなければならないのだが、メーカーとしてもあまり自信が無いのか?はたまた認識が無いのか、仕様として表されるのは、外壁がシリコンならば、屋根もシリコンというようなものだし、オール水性とか言って、とても製品としては使うレベルに無いものでラインナップされているようなメーカーも・・・・・。
そのような部分は、おそらく認識が無さ過ぎるのだろうが、耐久性に低いものを使用すると、塗り替えサイクルが早まってしまう事を意味するので、それだけコストが掛かるということにつながってしまうのです。
かと言って、「20年持つ」と言うような屋根用塗料があるか?と聞かれると、・・・???
結局のところ、期間が長くなればなるほど曖昧になってしまうと言う事もあるので、耐久性については10年が一つの区切りとして説明しているのだが、なんともまあ、耐久性を表すのは難しい話。
製品を自ら作ることが出来ない塗装業者としては、メーカーにもっと努力してもらい、具体的な耐久性をうたえるぐらい、耐久性の高い製品を作ってもらうしか無いのです・・・・・。
2008年12月19日
塗料の選択
現在塗り替え中の現場では、外壁のサイディングへ使用する塗料について、艶の無い塗料を選択している。
この艶というのはなかなか厄介なもので、外装用に使用する塗料の多くが、艶があって初めて耐候性能が確保できるとされている。
したがって、多くの塗料の艶調整というのは、基本となる艶有の塗料の中へ、艶消し剤という薬品を混ぜる事によって、塗料の仕上がり面に凹凸をつくり、光を乱反射させるという仕組み・・・・・。
もちろん、すべての塗料がコレに当てはまる訳では無いのだが、大多数の製品がこの仕組みなのです。
ただ、そんな塗料の中でも例外があり、それが今回採用した塗料。
。
その製品とは、水谷ペイントの「ナノコンポジットW」
この製品は、もともと艶消しであり、余分な薬剤の影響を受けていないことと、ナノテクノロジーで樹脂を構成しているため、一般的な塗料に比べ、耐久力という変化が少ないのが特徴・・・。
なんだか意味不明な表現なのだが、ようは安定性が高いと思われるという塗料であって、私がお見積りの際に、お勧めできると思う塗料で仕様を組んでいるので、その中でお客様に艶有と艶なしのそれぞれを提案し、決まったのが艶なしの今回の仕様なのである。
もちろん、艶の有無だけを基準に塗料を選択するのではなく、乾燥後の塗料の柔らかさについてや、熱伝導についても考慮しているのです。
こうして塗料の選択がなされるのだが、実のところお客様は、塗料の性能という感覚はあまり強くなく、意匠という部分である艶と色選びが中心。
しかし、そのなかでも塗料しての性能が低ければ、工事をする意味が無いので、その選択は、私たち業者の大事な仕事なのである・・・・・。
この艶というのはなかなか厄介なもので、外装用に使用する塗料の多くが、艶があって初めて耐候性能が確保できるとされている。
したがって、多くの塗料の艶調整というのは、基本となる艶有の塗料の中へ、艶消し剤という薬品を混ぜる事によって、塗料の仕上がり面に凹凸をつくり、光を乱反射させるという仕組み・・・・・。
もちろん、すべての塗料がコレに当てはまる訳では無いのだが、大多数の製品がこの仕組みなのです。
ただ、そんな塗料の中でも例外があり、それが今回採用した塗料。
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その製品とは、水谷ペイントの「ナノコンポジットW」
この製品は、もともと艶消しであり、余分な薬剤の影響を受けていないことと、ナノテクノロジーで樹脂を構成しているため、一般的な塗料に比べ、耐久力という変化が少ないのが特徴・・・。
なんだか意味不明な表現なのだが、ようは安定性が高いと思われるという塗料であって、私がお見積りの際に、お勧めできると思う塗料で仕様を組んでいるので、その中でお客様に艶有と艶なしのそれぞれを提案し、決まったのが艶なしの今回の仕様なのである。
もちろん、艶の有無だけを基準に塗料を選択するのではなく、乾燥後の塗料の柔らかさについてや、熱伝導についても考慮しているのです。
こうして塗料の選択がなされるのだが、実のところお客様は、塗料の性能という感覚はあまり強くなく、意匠という部分である艶と色選びが中心。
しかし、そのなかでも塗料しての性能が低ければ、工事をする意味が無いので、その選択は、私たち業者の大事な仕事なのである・・・・・。