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2011年07月09日

根拠と事実

昨日記した、シャッターへのテスト塗装。

シャッターの仕組みにより、塗料・塗装方法の選択が重要になるのですが、遮熱塗料の場合は、薄膜であり、塗料の選び方により、比較的硬い塗膜が出来上がるため、薄いぶんだけ、塗料の剥がれも何とか許容範囲であろうと考えるのです。

しかし、断熱を考える断熱塗料では、一定以上の厚みを確保しなければ、熱伝導をしてしまう可能性が高くなるため、当然ながら機能が不足するリスクが・・・・。

また、遮熱塗料に比べると、厚みのみならず、塗膜が若干柔らかめとなるぶんだけ、塗膜が剥がれた際の問題も大きくなるのです。







そんなことを踏まえてのテスト塗装なのですが、本題はこの塗料での機能がどこまで効果を及ぼすかの検証。

塗装後、午後3時にいくつかの計測をしたところ。

天気・・・晴天

外気温・・・33℃

     根拠と事実






このように、シャッターへは、およそ50センチ角で吹き付けを行いました。

     根拠と事実






放射温度計で計測したところ。

無塗装面・・・51.4℃

     根拠と事実






遮熱塗料塗装面・・・42.8℃

     根拠と事実






断熱塗料塗装面・・・34.8℃

     根拠と事実






塗装後、約1時間半を経過した時点での計測により、ここまで各部位の表面温度に差が生じることが確認できたことで、それぞれの効果について、事実が確認できたのです。

ただし、これにより、イコール室内温度の違いが生じるか?

答えは、ノーである。







いくら表面温度が下がったところで、塗膜の裏面に伝わる温度は確かに低くなるのだが、それよりも大きな空間に影響を及ぼしている熱が、全て除去されたわけではないのです。

たとえば、窓から侵入する赤外線。

空気の循環により浸入する熱せられた外気。

熱せられたまま滞留してしまう室内空気。

などなど、要因が多岐にわたり、かつ人が感じる温度である「体感温度」も有り、一概に数値だけによって変わるものではないのです。

またこのとき、道路のアスファルト温度を計測すると

アスファルト表面・・・45.6℃

     根拠と事実






このように、テストをする根拠は、塗膜の有効性を十分に発揮させることが出来るか否かを検証することで、事実を把握するため。

そして事実を把握することで、それがどのように有用になるかを、さらに検証する。

これらが検証結果がそろうからこそ、カタログに書かれたような、良いこと尽くしのうたい文句の列挙ではなく、お客様に本当にお勧めできる仕様を考えられるのです。

だからこそ、アピールではない事実こそが、本当に大事なのです。



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Posted by くぼた at 13:14 │塗料
この記事へのコメント
こんにちは、不定期に訪問させていただいているものです。
今回の実験方法に少し疑問を感じたのですが、放射温度計
で測定する場合は試験体事の放射率補正(安価なものは調整
できない)・測定距離(温度計とシャツター)を同一かつ近距離
・表面が凹凸または曲面の場合放射率の低下に注意する等が
必要です。

シャッター裏側、または接触温度計での測定のほうが無難です。

また、放射温度計は直線ではなくメガホンの形状のように広がり
ますので距離が離れると試験体以外の数値も入ってしまいます。
Posted by ななし at 2011年07月14日 07:23
ななし さま

コメントありがとうございます。
今回の実験について疑問をお持ちになったとのこと。
測定機器について精通されていると思われる方からのコメントに感謝申し上げます。

今回の実験の外部温度は、私はあてにしていません。
もちろん、高価な機材を持つわけで無いため、正確性に欠けるという事も
ありますが、それ以上に、ブログにも記したように、室内で「人」がどのように
体感できるか?と言うのが重要なのだと思っています。

なので、今回記している数値は、あくまで測定を行った際に記録されただけです。

まあ、塗料のカタログに限らず、宣伝用はもそもあてにならないと常々思っているので、自分で試したいし、感じたいと思っています。

また、機会がありましたら、コメントいただければ幸いです。
ありがとうございました。
Posted by くぼたくぼた at 2011年07月15日 19:25

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根拠と事実