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 『雨漏り診断・修理』についての当社取り組みです

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2010年11月03日

雨仕舞いの観点は

手すりの架台部分を先行したバルコニー(ベランダ)では、ようやく床の防水工事へと進んでいくのだが、こちらの建物の雨仕舞いには、設計、施工において考慮されていたのか、とても不可解な納まりとなっているのです。






こちらの現場の、この防水を行う3階バルコニーは、2階の屋根部分、つまりルーフバルコニー。

RC造であり、合成ゴム系防水シートを施工した後に、保護モルタルを掛けて仕上げている、ごくごくオーソドックスな防水を施されているのです。

この文章説明だけであれば、何も感じる部分は無いのだが、こちらの現場の場合は、「えっっ?」と思うような納まりと状態が、今回の防水工事の最大の泣き所・・・・・。






まずはこちらの防水と外壁の取り合い。

新築時に防水工事を施工するところまではともかくとして、外壁をタイル張りに、なんと床面いっぱいまで張り上げられているため、防水の立ち上がりが見えないのである。

     雨仕舞いの観点は






このような納まりになっており、さらに調べると、RC躯体にタイル下地として塗られているモルタルは、ざっと30㎜以上。

モルタルの厚みをつける事については、教科書通りとの考え方もあるのだが、ではなぜ防水面まで絡めてしまうのだろうか?






これが新築当初ならば、気になる部分は無いのだろうが、そもそも、タイルの吸水性は無くとも、モルタルは吸水してしまう素材であり、その水分は防水面へと影響を及ぼす。

さらに風化が進んだバルコニーの保護モルタルは、見るも無残な状態になってしまっているため、とても、そのまま防水工事を施工できるレベルには無いのです。

     雨仕舞いの観点は





実は、これでも高圧洗浄によりコケを洗い流し、モルタル目地にシーリング(コーキング)を打ち、さらにクラック部分からの雨水進入を最小限にすべく、シーリングをいっぱい使った、下地調整の第一段階を終えた後なのですが・・・・・。






また、この防水層の下から雨漏りが無ければ良いのだが、2階の天井板を剥がすと、なんだか怪しいシミが。

     雨仕舞いの観点は






もともとの雨仕舞いに大いなる不安があることと、これまで手入れをされてきた形跡の無い建物の風化。

いろんな要因が重なり、数多くの雨漏り現場を見てきた私の経験の中でも、相当痛みの多い現場であることは間違いないのです。

しかし、こちらの建物を購入されたオーナーが、先々不安に思うことが無いようにするのも私の仕事。

ただ、手間が非常に掛かることに間違いは無いのですが・・・・・(苦笑)



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