水にまつわる相談
先日、某施設の水にまつわる相談を受けた。
雨漏りに関わり続けていると、雨漏りに限定されず、水にまつわる事の相談があるのだが、今回も、どうしたものか?と考えた末に、私のところへ相談をしてみたと言う感じだったらしい。
今回ご相談があったのは、施設の廊下に発生する水のシミ。
廊下に施工されたカーペットの一部に、何が原因なのか分からない水シミ、そして、そこに付着する汚れ。
おそらく結露なのだろうとは予想するものの、実際に何が起きているのかは、まったく分からないのだと・・・・・。
ご相談の最中、地下に空洞でもあるのか?
なんて話も出たのだが、RC造の建物であり、構造にそのような空間がなければ、勝手に出来るものではない。
それに、シミの範囲が半円形状になっているなど、不可解な状況なのである。
そこで周辺のカーペットを少しづつ剥がしていくと、なにやら変なものが。
床のCFだけならず、一部にモルタルを薄塗りしたような痕跡が顔を出したのです。
ここでようやく状況把握。
結露か否か根拠が掴めなかったものが、このモルタルに隠れた四角い凹凸で、謎が解けたのである。
この水跡は、間違いなく結露水。
なんと、排水点検口をカーペット下に隠しており、かつ施設管理者の方々も、この点検口の存在に気が付いていなかったのです。
こうして結果だけみれば、当たり前のことなにだが、それに気が付かない間は、なんだか意味不明としかならない。
今回の場合、排水口の蓋がステンレス製で断熱されていないと言う、ごくごく普通の仕様に、なぜかカーペットを被せてしまったことが、根本的な原因なのである。
そしてもう少し調べてみると、この排水口に流れ込む水は、厨房の排水と、浴室の排水であった。
排水口の蓋に使用されるものは、通路に設置されることも考慮し、ステンレスを採用されている。
しかしステンレスは熱伝導率が高いものであり、その状態のところに、さらにカーペットという蓋を被せ、下からは温水によって結露を促進してしまうと言う循環なのです。
排水口の蓋の裏はびっしょり水滴が付着し、今まで閉じ込められていた汚れも・・・・・。
原因を伝え、この後は対策を考えてお見積り。
さて、あの手でいくか・・・・・。
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