塗膜不良・・・3

くぼた

2008年06月12日 23:31

昨日、塗膜におきた色別れについて、塗料メーカーが確認にやってきた。

そもそも色別れとは、下の写真のように、塗料に含まれる色の成分である顔料が充分に混ざり合わないために、いわゆるマーブル模様にになったりする事である。

     





しかし、このような現象は、絶対に起こらないと言う事は出来ず、なんらかの影響を受けたか否かにもよるし、現場使用の際の混合に限らず、製造過程を含めたどこかの過程で、混合が不足した場合にも起こることなのです。

もちろん理想を言えば、現場使用の前に、石油缶の蓋を切り取り、電動攪拌機で塗料全てを充分に攪拌することがベストなのは言うまでも無いことですが、原料の濃淡や、色目の濃淡はともかくとして、今回の様な色別れは、おそらく現場攪拌で解消するものでは無いだろう・・・・・。

※この攪拌については、横浜のSさんよりメールをいただきました。
 Sさん、ありがとうございました。






実はこの塗料において、このような色別れを経験したのは、今回が初めてでは無い。

以前にも同系の若干明るい色で、同様の経験をしたのだが、他の色ではこのような問題はおきていないのです。

メーカー担当者も状況を見るなり、「こりゃ~確かにダメだ」と・・・・・・・。

もちろん先ほども書いた、原料の濃淡や色目の濃淡については、缶をふることだけでの解消は、厳密に言えば難しい部分はあるのだろうが、今回のような顔料分離については、こうも簡単に分離されては、さすがに製品として困るからと言う事で、材料を硬化剤や専用シンナーと共に持ち帰ってもらう事に。

また、その時使用した塗料が乾燥した塗膜も、使用した下げ缶から剥して、こちらもサンプルとして持ち帰ってもらう事にしたのです。





今回のようなケースも、怒るのは簡単なのだが、メーカーから回答を貰い、今後の製品開発や、マイナーチェンジの際に、現場の意見として反映させるためにも、落ち着いて対応。

もちろん、材料の変更や、その他については責任を持って対応してもらうのは当然ですが、あえて感情論に持ち込んでも、何の意味も無いし、お客様のためには、材料を変更すると言うことよりも、想定する年数の耐久性や美観維持などの性能が確保されているかどうかが問題なので、そのあたりは、私が再検討し、材料を選び、きっちりと仕上げるのが仕事。






ただし、傾向して感じられるのは、大手メーカーの汎用系塗料では、このような症状、まず見ることがあり得ないぐらい、確率が低いもの。

しかし、今回の塗料を製造するメーカーや、その他のメーカーについて、今までの使用経験について思い出して見ると、あきらかに同系塗料の中でも、高性能なものの方が、混ざり難いような感覚があるのが不思議。

一体何が違うのであろうか・・・・・・・・・・・・・・・。






それにしても、なぜこのような顔料分離が起きたのか、それが不思議なんですよね・・・・・。

     

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